失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




あたしは部屋に戻るなり、さっきの干物女の格好に戻った。


正直こんな姿、ヤンキーたちには見せられない。

でもこの格好が一番仕事しやすいんだもん。
仕方ないよ。


「やるか……」


自分に気合いを入れていつもより数倍速い速さで仕事を片付け始めた。



亜美の主な仕事は書類整理と、会計と、パイプ作り。


ほんらいならパイプ作りは父さんがやったほうがいい。

でも人当たりがいいのは亜美。


ということで亜美の方が社交の場に出る事が多かった。


今日は数多くあるパーティーの招待状にも目を通さなければならない。



「……なんだこの量は」


佐伯さんに届いた招待状はここに置いといてって言った場所には溢れんばかりの招待状たち。



「えーっと、明日は上智さんとこのパーティーに行くから、明日以外のやつ……」


手帳は返ってきてない。
でもある程度のスケジュールは頭に入ってる。



メモするために、いらない紙の裏に予定表をつくり始めた。


――あたし、節約上手


ぶっちゃけ誰でもできるから。