あたしの言いたいことは多分分かってたんだと思う。


「わりぃ、今は言えない。でもぜってー返すし、中も見てねぇから」


電話に出たときとか、いつもの大翔からは考えられないほどの本気の声。


「信じろ、俺を」





そんなこと、今言わないでよ。

笑えないじゃん。

“何が信じろ”だって笑いどばしてやりたいのに、全然笑えない。


「……不安なら、」
「大丈夫」


大翔の声をさえぎってあたしは言った。


「大丈夫」


もう一度自分に言い聞かせるように。


「明日、絶対に会えるんだよね?」


「あぁ、会える」


信じろと言った大翔が言うのなら、


「大翔がそう言うなら、あたしは大翔を信じる」


いつのまにか目には涙が溜まりまくってて、いつ流れてもおかしくないくらいだった。



「……じゃ、明日」


「分かったよ。明日ね」


あたしは大翔を信じて、弱みを預けた。