電話を切った後すぐに大翔に電話をした。
呼び出し音がとてももどかしい。
それくらいあたしは焦ってた。
――早く、早く出て
まだ朝早いこともどっかに吹っ飛んでいた。
「お前ふざけんな、今何時だと思ってんだ!」
あんたこそ朝からそのテンションふざけてんだろ。
なんて今のあたしには言う余裕なんかない。
「ごめん。ねぇあたしの手帳っ!」
きっと泣きそうになってたと思う。
だって一瞬、大翔の声が詰まったもん。
「なんつー声を……」
「あれは大事なものなの。返して……っ」
必死で必死で。
なんとしてでもあれは取り返さなきゃいけない。
「明日、会えるから」
「……っえ?」
さっき陽からもそんな感じの言葉を聞いた気がする。
「どういうこと?」
「明日になればわかる」
意味わかんないよ。
あたしは今欲しいの。
「絶対に会うから。だからお前はいつもの深瀬亜美に戻れ」
今度は大翔が泣きそうになってた。
何であんたが泣きそうになってんの!
説明してよ!



