「園児のときは女装させられ、とにかく、あの母親はフラフリが好きだし、家はなんかメルヘンだし……」
ははは、
まとめちゃえば、颯太は女装させられたことがトラウマになってるわけだね。
「学校行けば女子がかわいいって言ってくるし。嬉しくねぇーよ」
でもかわいいのよ。君は。
むしろあたしはかわいいって言った女子の気持ちが分かるよ。
「……オキノドクニ」
カタコトであたしは颯太を慰めた。
「それに、颯太は女に囲まれてたとこを陽に助けてもらって仲間になったんだぜ」
笑えるだろ?
そういった大翔。
「おいっ!そこまで言うなよ」
そんな大翔を必死に止めようとする颯太。
「あれは……別に俺だけでもなんとかできたし」
「無理だね」
「無理じゃない!」
そんな言い争いが長い間続いた。
それをあたしは大爆笑しながら眺めていた。
あと、一年もない。



