これから陽を説得するときはシュークリームを持ち出せばよいと言うことがわかった。
そしてなんだかんだいいながらも帰りも道路側を歩いてくれた陽。
その日、あたしは幸せな夢を見た気がした。
「さぁ、今日もやりますか!」
大雅の掛け声で全員が声も無しに頷く。
ってことで今日も客寄せしますっ!
「あ、」
「あ゛?」
あれ?おかしいな?
あたしと同じ単語を言ったはずなのに、濁点がついて返ってきたよ?
「もしかしてやまびこ?」
「くたばれ」
ひどすぎる。
大翔のあたしへの態度は酷すぎる。
「パーカー汚れた」
昨日、水着の上から着ていたパーカーが少し汚れていたのだ。
「俺は着てない方がいい」
「あんたの要望はきいてない」
ってか真顔で言うんじゃない。
そのときフワッとなにかがあたしの肩にかかった。
あわてて後ろを見れば陽。
「それ着とけ」
陽が貸してくれたのは陽がさっきまで着ていたパーカー。
「いいの?」
「俺は日焼けしねぇ」
そんな馬鹿な。



