「いや、俺はクールなキャラだ」
自分で言うもんなのか?
ってかクールならなおさら言わないだろ。
「……うん、そうだね」
でも多分そんな事言ってしまったらしばらくヤンキーたちと居づらくなるだろうから言わない。
「棒読みだけど気にしないでやる」
「そりゃどーも」
夜道は案外人が居ないもんだ。
そこでふと気が付いた。
――いつの間にか陽が道路側を歩いてる
気が付かなかった。
それくらい自然に守ってもらってたんだ。
「もしかして、心配してついてきてくれたの?」
「ち、ちげぇよ」
まるわかりだよ。
でも、
「ありがとう、」
陽に聞こえないくらい小さな声で呟いた。
真正面からいっても、お礼は受け取ってもらえないだろうから。
陽だけじゃなく、ヤンキーたちは多分みんな素直じゃないだけで、みんなきっと優しい。
「あ、」
「ん?」
「電柱」
どんっ!!
「いたっ、もっと早く言ってくれ」
だめだ。
こいつらはいいイメージにまとめようとしたらダメになる。



