2人が出ていった後の部屋はニヤニヤに包まれた。
「陽が面白い」
大雅が口に手を当ててわざとらしく言う。
「亜美の父ちゃんみたい……」
ついていこうとするところとかな。
颯太は複雑な気分だ。
「あいつ、亜美ちゃんに惚れてんの?」
優真君の言葉に一同しばし無言。
「だったらお笑いだな」
「あぁ」
大翔の大雅が頷きあっている。
「まぁそう言うなよ。俺は案外お似合いだと思うけどな」
いつも止めるのは優真君。
「俺はそうは思わないね」
颯太の思いがけない反論にもう一度、無言。
「何?お前も?」
「う、うるさい!」
「決定的だ」
ニヤニヤが消えて、真面目な顔になった大翔は思った。
――そろそろ忠告しといたほうがいいかな?



