失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




なんか気が抜けてきた。

こいつらといたら、“緊張感”なんて言葉なんか忘れてしまいそうになる。


「もう、寝るぞ!あしたもだからな!」


優真君の掛け声により、みんなで片付けをしてワイワイしながら部屋に戻った。


でも、あれだけ騒がしかったのに、いきなり静かになっもんだから、寂しくなった。


「シュークリーム買ってこよ」


寂しいなと思ったときに一番最初に思い浮かんだのはシュークリーム。



――絶対に陽の寝言のせいだ



浴衣のままコンビニに行こうと、財布と携帯を持って部屋を出た。



陽たちの部屋を覗き、


「ちょっくらコンビニ行ってシュークリーム買ってくる」


「……シュークリーム?」


「起きた!?」


陽が“シュークリーム”という単語を聞いて目を覚ました。



「話は聞いた。俺も行く」


話は聞いたって……どこの悪役だよ。



「別に買ってくるけど?」


そう言えば、陽が嫌そうな顔をした。


「何さ!」


「俺は商品は見て決める派だ」


「嘘つけ!」


こいつ、いっつもあたしにお使いを頼むじゃないか!