最後はみんなで線香花火がどれだけ長い間持たせることができるかの勝負するのが決まりらしい。
「いくぜっ!!」
大雅の掛け声を合図に一斉に火を点ける。
――信じられない
大雅がおとなしい。
気持ち悪いくらいにおとなしい。
どんだけ勝ちたいんだよ!
「ぬあぁぁぁあぁあ」
一番最初に奇声を発したのは颯太だった。
「俺も落ちたー」
はじめからやる気のない大翔。
「っあ」
案外ヤル気満々だった優真君。
「ぎゃぁぁぁぁあぁぁあ」
あたし。
残ったのは、陽と大雅。
ぼーっとしている……いや、半分寝ている陽と、微動だにしない大雅。
――ぶっちゃけ早く終わってほしい
「あ、」
あたしが大雅の花火が落ちたのと同時に声を発した。
線香花火大会の優勝者は陽。
本人は気が付いてないみたいだけど。



