失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




ってか多分誤解している。
誤解しているに違いない。


「花火自体は知ってるからね」


そう言えば安心された。


「俺、お前が花火知らなかったらどうしようかと思った」



「俺も」


大雅と大翔は仲良く海に沈んでこい。


「でも、見たことない……かも?うん、ない」


「何で?」


やっぱ優真君は優しいな。
聞き方が園児にするようにやさしい。


それはやりすぎかな?



「なんたかんだで、夏って忙しいんだよね」


父さんの仕事を手伝ったり、パーティー行ったり。


花火はしたことなんかなかった。



「花火、やるの?」


「あぁ」



大雅の言葉に、ニヤけが止まらなくなった。



「キモい」


今なら陽の失礼な言葉も許せる。



「楽しみだね」



「おぅ!」



大雅の興奮した声が響いた。