失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿




お風呂場は最高だった。


民宿なのだから、あまり大きくはない。


でもお風呂から見える海。


最高。




「ふぅー、すっきりしたぁ!」



お風呂上がりは腰に手を当てて牛乳に限る。



それを飲み終えると、いったん、部屋に戻って、動きやすい格好に着替えた。


そして、海を見に、海へ。






「んー、やっぱいい!」



人がいなくなった海は、昼間のそれとは姿を変える。



持ってきた大きめのハンカチ。


それをひいて、そこに腰を下ろした。




ざぶーん。




寄せては帰る波。


それを見ていればとても眠たくなってきた。



肌寒くもなってきた。



――そろそろ帰ろう



そう思って立ち上がったら、間抜けな声が聞こえてきた。


「あれー?君1人?」



振り向けばそこにいたのは、サーファーらしき人たち。



「俺たち、今からその辺でご飯食べて帰るんだけどさ、一緒に食べない?あ、おごるよ?」



喋りすぎだよ。




あんたの台詞が予想外に長かったから最初らへんを忘れちまったよ。