それは信じられない光景だった。
山下がユウに向け、拳銃を構え直そうとした時、何かに躓いたように山下の体制が崩れた。
そして、拳銃とは反対に持たれた箱のなかから飛び出した手首が山下の拳銃を持った手に添えらるよう形になり引き金を引いたのだった。
銃口は山下の胸に向いていた。
「…な、なんで…」
山下は信じられないという顔をしながらその場に崩れる。
銃弾は心臓を撃ち抜いていた。
「ユウ、大丈夫か!」
タクヤがユウに駆け寄る。
「…うん、大丈夫。
今、手首が…」
「あぁ、きっと俺たちを助けてくれたんだ。
過ちを繰り返そうとしていた夫を妻が止めたんだよ。
全部終わったんだ。」
タクヤが山下の遺体を見ながら自分に言い聞かせるように呟いた。
長い夜が明けようとしていた。
山下がユウに向け、拳銃を構え直そうとした時、何かに躓いたように山下の体制が崩れた。
そして、拳銃とは反対に持たれた箱のなかから飛び出した手首が山下の拳銃を持った手に添えらるよう形になり引き金を引いたのだった。
銃口は山下の胸に向いていた。
「…な、なんで…」
山下は信じられないという顔をしながらその場に崩れる。
銃弾は心臓を撃ち抜いていた。
「ユウ、大丈夫か!」
タクヤがユウに駆け寄る。
「…うん、大丈夫。
今、手首が…」
「あぁ、きっと俺たちを助けてくれたんだ。
過ちを繰り返そうとしていた夫を妻が止めたんだよ。
全部終わったんだ。」
タクヤが山下の遺体を見ながら自分に言い聞かせるように呟いた。
長い夜が明けようとしていた。