アルバイト

廃墟から10分ほどの距離の人気のない公園でタクヤが足を止めた。

「タクちゃんどうしたの?」

ユウが尋ねる。

「いや、荷物の置場所をここにしようかなって思って。」

「え、荷物は隠してあるんじゃないの?」

ユウが驚いた声をだす。

「いや、本当は持ってたんだけど、ああでも言わないと無事に帰れそうになかったから。」

そういいながらタクヤは鞄の中から荷物をとりだす。

「隠したりしといて、誰かに見つけられたら目もあてられないだろ。
ここなら廃墟から近いし、トイレにでも隠しておいて、あいつに連絡すれば回収するだろう。」

「なるほど!
じゃあ、トイレに隠しに行こうか。」

ユウがタクヤから荷物を受け取りトイレに向かおうとする。




「その必要はない。」

突然、タクヤとユウの後ろから声がする。

振り返るとそこに立っていたのは依頼人、山下孝則だった。