ユウの部屋はよく整理されていた。

まず、ベッドの下の冷蔵庫を開けてみた。

中は空っぽだった。

「…荷物がない。」

(ユウは夜中に荷物を持って出掛けたのだろうか?

どこに?何のために?)

タクヤは心のなかで自問自答を繰り返す。

「あ、そうだ、携帯!
おばさんが知らないならまだ試してないはず。
もしかしたら繋がるかも。」

タクヤが携帯を取り出して、ユウの携帯に電話をかけてみる。

「おかけになった携帯電話は現在電源が入っておりません。」

電話から聞こえてきたのは音声案内の声だった。

(もしかして、ユウは依頼主にあいに行ったのか?)

荷物を持ってユウが出かける理由はそれしかない。

(なら、依頼主を調べないとな。)

タクヤはユウの部屋をあとにし、おばさんにお礼をいい自宅へと戻った。