-放課後

ユウの家の前にパトカーが止まっている。
家の中からスーツを着た男の人が出てきてパトカーに乗って行ってしまった。

(何が…)

嫌な予感がして、タクヤはユウの家の呼び鈴を押す。

「…はい。」

玄関から出てきたのはユウのおばさんだった。
顔が少しやつれている。

「あの、ユウは。」

「タクヤ君、ちょっと中に入って。」

おばさんはタクヤを玄関に入れると、素早くドアを閉めた。
タクヤはダイニングに通される。

「行方不明!?」

ダイニングでおばさんから話を聞いたタクヤは思わず声をあげた。

「昨日の夜中に家を出た見たいで。
朝、部屋に行ってもいなかったの。
タクヤ君はなにか知らない?」

「いえ特には。すいません。」

一瞬荷物のことが頭をよぎったが黙っていた。

「ちょっと、ユウの部屋見せてもらってもいいですか?
携帯を忘れちゃったみたいで。」

「あら、そうなの。
ユウの部屋は二階にあるから。
あぁ、こんなことならユウにも携帯を持たせておけばよかった。」

おばさんが呟く。

(ユウのやつ携帯を買ったこと親に黙ってたのか。)

タクヤは二階のユウの部屋へと向かった。