「19,800円か…あと0がひとつ少なきゃ買えるんだけどなぁ。」

ショーウィンドウごしに最新の携帯ゲーム機をうらめしそうに眺めながらタクヤが呟く。

「僕もあと、0が2つ少なければ買えるのに…」

「全然たんねーだろ、それじゃあ…」

タクヤは冷たい声で隣で同じようにゲーム機を眺めているユウに突っ込む。

二人はこの春から高校一年生なったばかりでアルバイトもやったことがなく手持ちのお金はともに乏しかった。