~太陽side~

なかなか先輩達は出て来ない。


仕方なく俺は家に帰る事にした。


アクセサリーショップの前を通った、その時…


ガチャっ。


「あれ…?神ちゃん…?」

「き、木下先輩…」


マズい。
木下先輩に会ってしまった。

アクセサリー屋の前を通らないように帰ればよかった…


「神ちゃん、どうしたの?」

「お、俺はちょっと、買い物に…」

「じゃあ部活はどうしたの?」

「今日はサボりました!…っていう先輩だって…」

「あ、それは竜哉君に無理矢理連れて来られて…」

「無理矢理とはなんだ。人聞きが悪いなぁ。」

「ご、ごめん!」


なんか2人はまるでカップルみたいで…

本当に悔しかった。

もう少し早く自分の気持ちに気付いていれば…


「ていうか、この男子は?」

「あ、アタシの部活の後輩。神崎太陽って言うの。」

「ヨロシク、太陽。」

「よろしくお願いします…」

「で、こっちは河上竜哉君。クラスメイトなんだ。」


本当はこの事を聞くのは嫌だったけど…


「木下先輩と河上先輩ってカレカノですか?」

『ううん、違う!』

「そ、そうなんですか…」

「じゃ俺ら、そろそろ行くわ。」

「バイバイ、神ちゃん!」

「さよなら…」


あの2人…

カップルじゃないとは言ってたけど…

もしかしたら隠してるのかな…


俺は一人途方に暮れていた。