~太陽side~

俺はあの日、木下先輩にメールを送った。


『神ちゃんは誰が好き?』


そう木下先輩に言われてみて、初めて俺は自分の好きな人の事を考えた。


気が付いたら、俺は木下先輩に惹かれていたんだ。


木下先輩の、

笑顔、
困った顔、
悲しそうな顔、

全てが愛おしく感じられていたんだ。


いつもはけじめをつけている、しっかりとした先輩。

でも時に見せる年下の様な可愛いさ。



俺は濁しながらも、先輩にバレるかバレないか程度にメールに文字を打った。


送信ボタンを押す指が自然に振るえる。


送信…した。



だけど30分経とうと、1時間経とうと、2時間経とうとその返事は返って来ない。


とうとう何も返事が来ないまま次の日を迎えてしまった。


なんで返事が来なかったんだろう…


俺は木下先輩に抱く全ての気持ちを一文に込めて送ったつもりだった。

もし木下先輩が俺の気持ちに気付いていたとしたら…

返事が返ってこないのは「迷惑」…だから?


深く考える程にイライラしていく自分が分かる。


弟みたいな人…

「みたいな」って事はタメだって有り得るって事だよな…



……

1人部屋の片隅で、

木下先輩の事を考えてるうちに、

俺は眠っていた…。