長い長い入学式が終わった。

自分の入学式のくせしてかなり退屈だった。

でも、出席番号が隣で話した事が無かった子と仲良くなる事が出来た。


今は入学式の余韻に浸りながら校門の前で友達と話している。


「太陽~!そろそろ帰るわよ~っ!」


遠くから母さんの声がした。

「今行く~っ!」


俺は友達と別れて母さんと父さんの所に行った。


「太陽、今日は立派だったぞ~」

「いや、俺はただ座ってただけだし…」


あまりにも親が熱く語り出したから俺は去ろうとしていた東山六中の校舎を見た。


教室をよく見ると、まだ2年生と3年生は授業をしていた。


ふと、ある教室の窓側の女子に目がついた。

皆が先生の方をちゃんと向いている中で、1人だけ窓の外をじっと見ていた。

なんでかは分からないけど、俺は吸い込まれるような感覚になった。


…あれ?

こっち…見てる…?

気のせいかは分からないけど、目が合ったような気がした。


だから俺はその女子の先輩に笑いかけた。

…そしたら…


ニコっ。

向こうからも笑顔が帰ってきた。


その笑顔は何故か夢中になってしまう魅力を感じた。

俺は…ドキドキしてる。

ただ、この「ドキドキ」は恋心では無い。


桜の花びらが沢山道端に散っている。

俺はその桜を見てワクワクした。


これからこの3年間、どんな事が待ち受けているのだろうか…