秀二は家に帰ると持っていたバッグを床に叩きつけた。



「なんなんだよ!あいつ…」



(まさかナオに気があるのか!クソッ。)



こんなことは初めてだった。今まではナオに言い寄る男がいても、ナオが断ればそれ以上は何もなかった。



それなのに、高木は断ってもしつこくつきまとっているなんて。



でも一番腹が立つのはナオが『憎めない』と言ったことだった。