「翼聞いてる?」


「え!?あ、聞いてる」


「ってわけで、千晴ちゃんの指導は翼に決定♪」


っは!?!?

え、ちょっと待てよ?


「俺が指導ってマネージャーの?」


「もちろん、推薦したやつが指導する。これ、うちの部活のルール」


おいおい、そんなのいつ決まったんだ!?


「ってなわけで、翼以外ランニング開始!」


「ちょ、お前ら~」


ったく、何で俺に任せるんだよ。


「あの……何をすればいいですか?」


透き通った声に俺は、振り向く。


「う―ん、今日は見学してよう。で、部員の名前を早く覚えることと……あのさ、野球のルール分かる?」

彼女は、一瞬考えて「はい、なんとなくなら」と笑顔で答えた。


その笑顔は、とても後輩とは思えないほど綺麗だった。