まず、自分に好意をもって優しくしてくる男子がいるとは思えない。 勉強は中の上だけど、運動音痴だし、ブスだし。 直紀があたしのどこに惚れたのかさっぱりだ。 バスに乗り、あたしはちょうど真ん中の席の窓側。 通路側には千里が座る。 「優、あんたバス大丈夫だっけ?」 「んー…、途中、パーキングエリア止まるんでしょ? なら平気」 「そっか。気分悪くなったらいいなよ?」 「ん」 あたしは後に寄りかかった。