「ぅっ重い…」
「優、何入れてきたの…っ?」
あたしが鞄を頑張って持っていると、千里は笑いながら聞いてくる。
別に…洗面用具、タオル、バスタオル、着替え…普通だよね?
「んー…」と唸っていると、隣から誰かに話しかけられた。
「橘、持とうか?」
同じクラスの…坂本 悠真くん。
バスケが得意で、勉強ができて、顔も良い。
女の子にモテそうなんだけど…同じクラスに、学年一番にモテる男子がいるから、あんまり。
「…いや、大丈夫」
「そうか…?」
はぁ…。
あたしは、こういう人から優しくされると、利用されてるんじゃないか、と思ってしょうがない。
相手に失礼だけど…。