「ちょっと気持ち悪いだけだもん」
「…他は?」
「…」
「気持ち悪い、だけ?」
優はコクンと頷いた。
「とりあえず…日陰行くか。日向は頭クラクラするだろ」
「大丈夫」
「大丈夫じゃないから言ってるんだよ」
「大丈夫だもん。一人で、楽しんできてよ。あたしは、待って」
「それ以上言ったら怒るからな」
「…ぇ」
「ほら、触られたくないんだったら自力で立つしかないんだけど。立てる?」
優は小さく頷いた。
「立てないんだな」
「なっ! い、言ってない!」
「優の噓はもう、顔見ればわかるよ」
「は、ぁ?!」
俺は優の腕を引っ張って立たせ、自分の方に引き寄せた。

