「ってことで、帰れ!」
「えぇー…。俺今ちょー暇なんだけど」
「そうか。んじゃ、どっかでナンパしてろ」
「だからしてんじゃん♪」
「てめぇ…」
なんか…あたし、お邪魔?
直紀、普通に楽しそうだし…。
「俺、五十嵐 真! シン、でいいよ」
そんな事を考えると、いきなり名前を言われた。
言われたら、教えるしかない…。
「…橘 優です」
「優ちゃんか♪ なぁ、メアド交換しない?」
いきなり名前呼び…?
直紀はしょうがないとして…。
「おい…いい加減にしろよ、マジで」
「メアドぐらい、いいだろ〜?」
はぁ…もういいや。
さっさと教えて、早く帰ろう。
あたしは鞄からケータイを出し、五十嵐くんのアドレスを赤外線でもらった。
「おっし♪ じゃあ、今度優ちゃんの送って!」
五十嵐くんがそう言った瞬間だった。

