【完】愛する君と、




千里には先に帰ってもらい、あたしは直紀と2人でコーヒーを飲んでいる。


「ぁ、の…なんですか?」

あたしは敬語口調で聞いてみた。

すると、直紀は不機嫌そうに答えた。

「メール、なんでくれないの?」

やっぱり…!!

絶対いつか言われるとは思ってたけど…

まさか会いにくるとは思わなかった。

っていうか…なんで、高校わかったんだろ?

…ストーカー?

そんな事を思いながらも、あたしは戸惑いつつ答えた。

「ぇっと…やっぱり、こういうのは…ちょっと」

本当の事は、言えなかった…。

『なんてメールすればわからなかった』

なんて…。

ちょっと、恥ずかしかったんだ。

「…そっか。でも…会うだけ、ならいいんだろ?」

「ぇ…」

思わぬ言葉に、あたしは少し驚いた。