「どうしたの? 傘もささないで…」 「…ちょっと、ね」 「家には…帰れないんだろ?」 あたしは、小さく頷いた。 上村くんはあたしの家の事を知っている。 「…俺ん家、来るか?」 「…」 あたしは、小さく頷いた。 行く宛がないから…ただ、それだけの理由で。 上村くんの家はすぐに着いた。 「ありがと、上村くん」 「実でいいって! ソファ、適当に座って」 あたしはそっとソファに腰を下ろした。