「…ぃゃ…」

伊藤…?


「いか、ないで…っ」

「…伊藤?」

見ると、伊藤の頬には涙が流れていた。


なんで…泣いてんだよ。

いつも、バカみたいに笑ってんじゃねぇか。


「…好き…っ!!」

「──っ!!」

「好きなの!! ずっと、ずっと直紀が好きだった…!! 8年間、小学校の頃からずっと…!」

「…」


伊藤が噓を言っていないことぐらいわかる。


ずっと…ずっと、俺だけを思い続けてくれたのだろうか…。


「お願い…っ! 今日だけは、今日だけはあたしと一緒にいて…!!」