もう少ししたら…言うから。


「ねぇ! 直紀!」

「まだ…いいよ」

「…ぇ」

「いつか…言うから」


俺はそっと優を抱きしめた。


「…”いつか”って…いつ?」

「んー…俺が、優にプロポーズする時」

「絶対?」

「絶対」

「絶対…絶対、だよ?」

「どうした、優」

なんでそんなに…?

「”いつか”って言葉…嫌い。お母さんが…『”いつか”帰ってくる』って出て行った、から…」

「!! …ごめん、優」


優は首を横に振った。