「もう夕方だし、送るよ」 「ぇ、いい! いいよ!」 「ぁ、オーケー? んじゃ、行くか」 「バカじゃないの!!」 「ははっ! ダーメ、俺がまだ一緒にいたいんだよ!」 「なっ?!」 まだ…手は握れないけど、 この手首を離したくない──…。 「近いから! 大丈夫だって!」 「近くても、この辺は変な奴らが多いんだよ」 「…はは、実際に今、変な奴があたしの手首を掴んでんだけど?」 「バーカ、俺はお前に惚れてんだよ」 「…バカじゃないの」 「…」 今── 一瞬微笑んだ…?