直紀の家は、マンション。
3LDKっていう、一人暮らしには広い部屋。
…ん?
「直紀…香水の匂いがするんだけど」
しかもこれ…女物じゃん。
あれ? でもこれ…。
「この匂い…千里と同じだ。千里、ここに来たの?」
「あぁ、秀太が勝手に連れてきたんだよ。あいつ、自分のところには姉貴いるからできねーって、ここ使うんだよ」
「へぇ…」
「優、先風呂入れよ」
「ぇ、い、いいよ! こっちがお邪魔してるんだし…」
「邪魔なんて思ってないって! むしろ、優がここに来てめっちゃ嬉しいし!」
「…バカじゃないの」
「俺は後でいいから、先入って来い!」
あたしは小さく頷いた。

