伊藤は「…あっそ」と笑った。
「まぁ、無難にアクセでいいんじゃない?」
「アクセねぇ…」
そういうの、選んだ事ないんだけど…。
「所持金は?」
「五万」
「…え?」
「? どうした?」
「ごめん…もう一回、言って?」
「だから五万。ぇ、足んない?」
「いや…むしろ余ると思うけど…」
「そうか? まぁ、余ったらデート費に使うからいいや」
「…あんたって金持ちだっけ?」
「バァカ、貯めたんだよ」
好きな女の誕生日くらい、良い思い出にしてやりたい。
実は、優と約束してない日は、ほとんどバイトしていた。
真に紹介してもらったバイトで、居酒屋。
結構バイト料が良かったりする。

