「その日は…嫌だ」

優は、悲しそうに言った。

「他の日に…して」

「優のお願いは何でも聞いてあげたいんだけど、今回はダメ」

「なっ」

「優の誕生日、だろ?」

「…知ってたの?」

「当たり前」

好きな女の誕生日を知らないわけがない。

それに…

「優が誕生日を嫌いでも、俺は一緒にいたい」

「…?」

俺は車の運転免許証を優に見せた。

すると、優は目を丸くした。