お金も払えないので、あたしは階段の下のスペースに踞った。 『思った事言ってるんだけど?』 思った事… そんなの一度も直紀に伝えたことなんてない。 わかってる… 今回は、あたしが悪い。 『それ、本気で言ってんのか』 あんな直紀の低い声…初めて聞いた。 …あたしには、謝る勇気なんてない。 「ぇっと…優、ちゃん?」 顔をあげると、夏海ちゃんと話してた男の子。 「…」