【完】愛する君と、




「…」


「それ、本気で言ってんのか」

「…なっ、本気に決まってんじゃん!」

あたしは右拳を強く握った。

「…そうかよ」

直紀はそう言い捨てた。

「ちょっ、直紀…なにがあったんだよ」

一人が直紀にそう問いかけるけど、直紀は何も答えない。

「っていうか、お前だってそうだろ。俺の事、女好きって言うけど、お前だってそうなんじゃねーの?」

「…っ!!」

「人の事言う前に、自分の」


あたしは直紀の言葉を遮るように、勢い良く立ち上がった。


「〜っ直紀のバカ!!」


あたしはカラオケルームを飛び出した。