ー in カラオケルーム ー


「…」


あたしは驚きのあまり、ドアの前に突っ立っていた。


「夏海ちゃん、久しぶり〜♪」

「久しぶりー!」

「美羽ちゃん、またお話しようね!」

「よろしく〜♪」

「優、早く座んなよー」

「ぁ、いや…はぃ」

あたしは椅子の一番端に座った。

「この子初めてだから、自己紹介なしで☆」

「オッケ〜! ぁ、こっちも一人、自己紹介はなしで!」

3人のうち、男の一人が、ポンポンとそいつの肩を叩いた。


自己紹介…?

そんなのいらない。

だって、そいつは…あたしがよく知っている人物だから。