「ぁ、うん…」


あたしは直紀の隣で歩き始めた。


いつもは…手を繋ごうとするのに…。


「? 優、どうした?」

「…なんでもない」

「噓を聞いてるんじゃねーんだけど」

「…意地悪」

「ほら、言ってみろ」

「…絶対嫌だ」

「お前なぁ…まぁ、無理に聞かねーけど」


直紀は…優しい。


いつも思う。


なんで…こんなに優しくしてくれるんだろう、って。