「これ、使う?」 当たり前だけど…彼女は顔を歪ませた。 ものすごい怪しい人を見ているような目だ。 「傘ないんだろ?」 「そうですけど…いいです。困ってません」 噓付け。 目が泳いでるし、そもそもこの状況で困ってないわけがない。 …どうやら、素直じゃないみたいだ。 結局、一回押し付けたものの、一緒に帰る事になった。 「家が知られてもいい」 っていう爆弾発言には、驚いた。