【完】愛する君と、




あたしが引っ張られそうになった時だった。

「お前等、なにナンパしてんだぁ…?」

誰かが後から、あたしをグイッと引き寄せた。

「ぉ、直紀! お前、バスケやってたろ? チーム入ってくんない?」

「女子高生をナンパするチームなんかに、入るかよ」

「ナンパじゃねーよ…勧誘だっつの」

「ってか、お前の彼女?」

「ちげーよ、バァカ」

「じゃあ、妹?」

「アホか。ってかお前等、伊藤に呼び出しされねぇの?」

「ぁ、やっべ」

「戻るか!」

3人組は、走って行ってしまった。

「ぁ、お前の彼女勧誘して悪かったなぁー!!」

最後、一人がそう叫んで、直紀は苦笑い。