【完】愛する君と、




「優ってさ…直紀くんに惚れたの?」

「違う」

「…即答かい」

「惚れてないもん」

「…ふぅん、言い聞かせるのは良いけど、あんただって気づいてるんじゃないの? 本当の気持ち」

「…」

「あたしは、この大学受けるつもりないし、そろそろ退散するね」

「ぇ、ちょっと!」

「直紀くんと楽しんでね♪」


千里は「じゃーねー♪」と言って、帰ってしまった。

はぁ…本当の気持ち、か…。


「…わかんないよ」


あたしは、誰にも聞こえないように、小さく呟いた。