【完】愛する君と、




「…なんか、子供みたい」

「は?」

「ほら、おてて繋いで仲良く、ってやつ」

「なんだそれ…」


優はさっきの怯えた顔が噓みたいに、微笑んだ。


「…ねぇ、どこに向かってるの?」

「散歩だからなぁ…もう、一番向こうまで行っちゃうか」

「いいね、それ」

「岩しかなさそうだけどなっ」


ここから見える、一番向こう側は、岩しか見えない。


行ってもなんの意味もなさそうだ。


「…どうせなら、誰も傷つかないところに行きたいな」


「ん、なに?」

「…なんでもない」

聞こえないふりをしたけど、ちゃんと聞こえた。


誰も傷つかないところ、か…。