「言っとくけど、あたし、あんたと違って本気で目指してるんだから!」
「んなの俺も一緒だっつの」
「へぇ、あたしについて来たのかと」
「バカ言ってんじゃねーよ。誰が、お前みたいな暴力女の跡を付け回すんだよ」
「…あっそ! はい、ノート!」
「…サンキュ」
俺はノートを受け取り、自分のノートと見比べた。
「…ねぇ、直紀」
「あ?」
小さい頃から一緒だからか、伊藤は”直紀”と呼んでいる。
好きな女にしか呼ばせたくないんだけど…
『ずっと一緒なのに名字呼びってなんか嫌じゃない』のこと。
俺も名前で呼べ、って言われたんだけど、さすがに断った。

