【完】愛する君と、




「さすがに紳士として、見逃せねーな、それは」

「し、紳士…? ははっ! なにそれ!」

あたしがクスッと笑うと、坂本は少し顔を赤くしていた。

井上はニヤニヤしている。

「…」

気持ち悪いなぁ…。

「ねぇ、あたし早く戻りたいんだけど」

千里とお風呂行かないといけないし…。

「あぁ、だから、コイツがちゃんと送ってくれるから♪」

「…は?」

井上は、坂本の肩をポンと叩いた。

「んじゃ、悠真、ちゃんと送れよ?」

ニッと笑う井上の腹を、坂本は蹴った。

「…?」