「さて、と!式場に行こうか」 「うん」 司がソファーから立ち上がって、私の手を握った。 「俺、もう嘘つかなくていいのかな?」 司が私の耳元でそっと呟いて、そのまま耳にキスを落とした。 司のついた嘘は、私が笑うための嘘。 優しくて、ずっと忘れられない、嘘。 それが嘘だと分かっても、笑って許せる…そんな嘘。 私は司の手をキュッと握りしめた。 「つかなくても、いいよ」 END