私、ナミ。フリーター。19歳。今年20。

その日私は、いつも通り朝からコンビニでバイトをしていた。家から徒歩3分。まるで嵐の様に高校生活は過ぎ去って、どれだけ青春だなんだって喚いて叫んで盛り上がって恋をしても、そんなの唯の一時の話。結局私は何もかもだらだらと消費して、こんな生活やってます。


でも、私だけが、特別じゃないはず。こんな何処にでもあるような話、聞いていたって貴方、つまらないでしょう?


でも、ごめんなさい、私は今日も真面目にフリーターをする。この仕事は夕方3時30分まで。その後は、居酒屋でアルバイトなの。



今日一緒番の1コ下のミキヤ君は、とっても優しくて、何だろう、どうしてバイトしてるのかなって感じで、でもそれを本人に聞いてはいけない気がするんだ。それを聞いてしまったら、私は彼の人生に、深く介入してしまって、どうにも後に引けなくなってしまいそうで。

だから私は、彼と当たり障りの無い会話以外をしない。

「今日は天気がいいねぇ、ミキヤ君。こんな日はサボっちゃいたい衝動に駆られるねぇ。」

なんて。

彼は午後の品出しをしながら、眼鏡の下にある双眸を緩ませて笑いながらこう返してくれるんだ。

「何言ってんすかナミさん。いっつもこの時間はサボってるようなものでしょう?こんな変なとこに立ってるお店なんて、いくらコンビニとはいえお客なんて近所の方しか来ませんよ。」

「ふっふ~。それもそうだぁね~。」

「・・・ま、それを解かった上で、ここで働いているんですけどね。」


世界がどうだとか関係ないのだ。だって、私の世界はここにあるから。

この生活を幸せと呼べるかは、私には解からないけど、ひとまず平和ではあるんだろうなきっと。