居酒屋のバイトって、坦々とこなしちゃう。だって、酔っぱらい親父の戯れ事なんていちいち相手してたら疲れちゃうもんね。愛想わりぃなあのこ。そんな声が聞こえても知ったことかってんだい!私の愛想は未来の旦那のためにとっといてるんだい!ちくしょー。


むせ返るような煙。この煙には焼き鳥を焼く煙、お香の煙、客が吸うタバコの煙が混じっている。マジカオス。まさしく世界は混沌に包まれているわけだ。いかん、腹減ってきた。

「ナミちゃーん!先8番片してきてー!!」

流し場から溢れ出る食器類を黙々と洗う私に店長から声が飛ぶ。

「りょーかいーっす!!」

・・・一応向こう年上で、勤務中なのに、こんな適当で許されるのだろうか。そんなこと考えつつも、先ほどまでどんちゃん騒ぎだった6人組のいたテーブルを片付ける。
恐らくもう新規様がいらっしゃったのだろう。最近このお店も人気が出てきたのか、客の入りは先月より増えた気がする。開店してまだ5ヶ月、少しずつ勢力を伸ばしているのか。やるな店長。私としてはこれ以上忙しくなるとさばききれなくなるので、新しい子を雇ってほしい。切実に。いやほんとに。

洗い物は溜まっていく一方、ヤバい、くずれんじゃねあれ、ってくらいつまれてる。くっそー、めんどくさい。鼻から溜め息を悟られぬよう逃がす。いかんいかん、逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃ(ry


・・・よし、早く終わらそ。
そう思い作業に掛かる。しかし数分もしないうちに、再び店長の声。

「ナミちゃーん!10番片してきてー!!」

「・・・りょーかいーっすぅ!!」

こんな感じに私はこきつかわれてます。あぁ、コンビニバイトの楽なることよ。