それから始まった授業中、俺は自分が吐いた恥ずかしい台詞を頭の中で何度も巡らせていた。くそ、どうしてあんなこと言っちまったんだ。ただの変態じゃねぇか。いつもは厳格な授業の為自然と頭に入ってくる授業内容が、板書もままならないほどだ。おいやべぇぞ、もう黒板折り返しやがった。
ふいに、くすっ。と。小さく、ほんとに小さく、短い吐息が夏の蒸し暑い風に混じって俺の耳を撫ぜた。自然な所作でふっと横を見る。風が吹いてきたその方角には、一人しか、いない。
スギサワが、柔らかく微笑んでいた。
その笑顔を見て、自分の顔が熱くなっていく感覚を覚える。
静かな教室内では、その僅かな音さえも異音として認識される。厳格な教師はすぐに指摘する。
「おい、スギサワ。今俺の授業でどこか面白いところあったか。」
普段説教などからは程遠い彼女はビクッと大袈裟に体をのけぞらせ、小さな声で「い、いえ・・・あ、あの・・・」と狼狽えていた。心なしか頬が紅潮している。
「すいません、今僕のお腹が盛大になってしまって・・・な?」
気が付いたら、そんな声を発していた。
隣でスギサワはおどおどしながらも「は、はい・・・すいません・・・」と呟いた。
「あいつ今日弁当の他にパンも食ってたから食い過ぎたんすよ。」
「育ち盛りだからな!」
「お腹弱いのに牛乳なんて一緒に飲むから~。」
タクミとアキラ、ユタカがおどけた口調で言うと、教室内がざわついた。厳格な教師は少し声を荒くし、
「ええい、ざわつくな!ったく、ほんとお前らは・・・佐々木、腹が痛かったら我慢せずトイレにいってこい。」
「はい、失礼します。」
あぁこっ恥ずかしいぃいい!!授業中のトイレとか!余計なこと言わなきゃよかったぜちきしょう。そんな心の声宜しく、俺は色々と堪えきれず、教室の後ろから素早く出ていった。
・・・てきとーに時間潰して戻るか。
はぁ、と大きなため息をこぼして、俺は歩き出した。
ふいに、くすっ。と。小さく、ほんとに小さく、短い吐息が夏の蒸し暑い風に混じって俺の耳を撫ぜた。自然な所作でふっと横を見る。風が吹いてきたその方角には、一人しか、いない。
スギサワが、柔らかく微笑んでいた。
その笑顔を見て、自分の顔が熱くなっていく感覚を覚える。
静かな教室内では、その僅かな音さえも異音として認識される。厳格な教師はすぐに指摘する。
「おい、スギサワ。今俺の授業でどこか面白いところあったか。」
普段説教などからは程遠い彼女はビクッと大袈裟に体をのけぞらせ、小さな声で「い、いえ・・・あ、あの・・・」と狼狽えていた。心なしか頬が紅潮している。
「すいません、今僕のお腹が盛大になってしまって・・・な?」
気が付いたら、そんな声を発していた。
隣でスギサワはおどおどしながらも「は、はい・・・すいません・・・」と呟いた。
「あいつ今日弁当の他にパンも食ってたから食い過ぎたんすよ。」
「育ち盛りだからな!」
「お腹弱いのに牛乳なんて一緒に飲むから~。」
タクミとアキラ、ユタカがおどけた口調で言うと、教室内がざわついた。厳格な教師は少し声を荒くし、
「ええい、ざわつくな!ったく、ほんとお前らは・・・佐々木、腹が痛かったら我慢せずトイレにいってこい。」
「はい、失礼します。」
あぁこっ恥ずかしいぃいい!!授業中のトイレとか!余計なこと言わなきゃよかったぜちきしょう。そんな心の声宜しく、俺は色々と堪えきれず、教室の後ろから素早く出ていった。
・・・てきとーに時間潰して戻るか。
はぁ、と大きなため息をこぼして、俺は歩き出した。


