どうやら俺の隣に座って、何も言わずうずくまっている馬鹿はどうやら失恋したらしい。


畜生、俺今からゲームやろうと思ってたのに。いきなりチャイムも鳴らさずに家に上がり込んだこいつに、俺の家族は誰も注意をしない、なぜならこいつは俺の幼なじみだからだ



「なあ、」


「…………」


「おい、」


「…………うるさい」


「おまえ、ここ俺の部屋って分かってる?」



少し上擦って震える声、溜息をつき、とりあえず横になにも言わず座るこいつの頭を軽く叩く。


こいつには一年近く付き合っていた彼氏が居て、学校でもそれなりに知られているカップルだった。だけどやっぱり学生の恋愛なんてそのうち終わりが来る、こいつが振られたのはクラスの友達から聞いた。どう慰めるか、どう切り出すか、そうこう考えているうちに、切り出せなくなり一週間。こいつが余りにも普通に接してくるから安心してた。