嬉しさと興奮が入り混じった感情で、掌が熱くなった。
掌に家臣をのせ、民をのせ、自分の国を造る。
自分の思い通りに動く駒と盤上を、心のどこかで求めていたのかもしれない。
王は天に選ばれ、四神がそれを叶える。
ここでは、天の意志は絶対だ。
礼が天界にいなかったため、赤国の王就任がかなり遅れた。
一刻を争う赤国が、なぜ天界にいない礼を選んだのかはわからない。
朱雀に、あるいは赤国に、何かあったのかもしれないと言われた。
だが、そんなことはもはやどうでもよかった。
―もうすぐ、私は王になる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…