月物語 ~黒き者たちの宴~




大樹の様子は、国情を表している。



黄国の木は豊かだ。



いつも生があふれている。



赤国の木とは大違いだった。



大樹について教わった後、すぐに赤国の大樹を見に行った。



初めて訪れたときに大樹とすれ違った記憶は、正しかった。



辛うじて枯れ葉がついている。



礼は、そっと木に触れた。



耳を寄せるしっかしと鼓動がなっている。



―よかった…



涙が静かに頬を伝った。